『第30回 あきた全国舞踊祭に寄せて』
平多 浩子
舞踊家
宮城県
肖像

 今回は、審査委員として25回目、参加研究所として30回目の記念すべき舞踊祭となった。
 此の行事への熱い思いを、感動と共に伺ったのが、30年前…。藤井信子先生のご意志がより一層熱く濃く継続されている事に、大きな拍手を贈りたい。

 エントリーされる作品を通し、多くを学び、変遷を肌で感じ、毎年得をしたような気持ちになっている。
10数年前、欧州のDANCERの方から“日本的モダンダンス”の象徴として指摘されたことがあった。日本人DANCERの、歩き方・走り方の事であった。
日本にいて、日本でモダンダンスを学び、愛する者として、妙に納得できた。
しかし、25年の流れのうちに“舞踊は一つ”と感じている。
『あきた全国舞踊祭』から海外へはばたく方々や、海外を体験した方々を目の当たりにすることも多くなった。そこで、互いに、沢山の刺激を受けているように思う。
一人一人、自分なりに取捨選択し独自の世界、個性を広げて行って欲しいと願う私である。

 2011年。想定外の出来事を味わってしまった事で、私は、“こころ”や“きずな”をいつもより深く意識した。
心を揺さぶられるような作品を、期待した今回のコンクールは、私を裏切ることはなく、いつもとは、一味異なる熱い思いを胸に家路へ着いた。


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Update:2017/02/23  

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