第32回 あきた全国舞踊祭に想う
石原 完二
(京都市)
肖像

 今回で32回を数えるあきた全国舞踊祭、この地で催されて32年、この舞踊祭には、ここで始めようと思われた藤井信子先生や、このコンクールに参加しようと集まって来られた先生方や、団体各位の熱意が、とっても強く感じられるコンクールであった。

 この舞踊祭で一番強く感じられた事は、子供から大人、又群舞まで全てが現代舞踊であるという事。コンクール、コンクールと日本には今、様々なコンクールが催されている中、この秋田は現代舞踊だけ、と言ってみれば開催当初は当り前の事だったであろう事が貫き通されていて、今日まできている。色々なジャンルのダンスが集まるコンクールが多い昨今、だからこそ今回感じ得た事なのかも知れないが…。それは常々、日本のモダンダンスは日本舞踊や舞踏との関連が深いと思っていた私は、その事の再確認が出来たという感覚を持った。それは何故かと言うと、日本人の持つ動きの間の取り方や腰の落とし方、それらはとても日本舞踊等にも通じるものであり、心地良い溜めのある踊りや、日本語に見られる様な、きめ細かな感情の表現など、どれも日本古来の芸術に息づくものだろうと思う。そしてその事が今回とてもよく感じ取る事が出来た。

 審査が終わった後で、なるほど、この東北には現代舞踊の先駆者達が、生まれ育った地なのだと改めて感じられた。
スタッフの方々の温かさもあり、なにか出演者ものびのびと踊っている様な気がしたあきた全国舞踊コンクール。この催しが増々発展していく事を願う。


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Update:2017/02/16  

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