『第33回 あきた全国舞踊祭雑感』
平多 浩子
 舞踊家
(宮城県)
肖像

“雪の秋田の熱い冬”のキャッチコピーで開催された第1回目から数え、早や33回目を終えた今、恒例の行事は、回を重ねる度に収穫が増し、進化を重ねている。
当初は、リノリウムもなく、全ての部門に門を開き、バレエ・モダン・学校ダンスとエリアを越えたものだった。
創始者、藤井信子氏の熱い思いに心を奪われた方々が全国から集結し楽しく競い合った。

 第1回目より参加させて頂いた私共。当時を知る者が回顧し呟いた・・・。「あの頃は良かったね!」・・・と。
そこから多くの出会いが生まれ、前進する事・トライする事等舞踊へのノウハウを学んだのは私だけではない。
33年の時を超えて、常に新しい発見をし、良いかたちに変化して行く様は、33回の積み重ねを共に過した者として自負している私にとっても、非常に嬉しい事である。
 今に敏感にという姿勢を貫く、現在の主催協会(秋田県芸術舞踊協会)に、敬意を表したい。

 今回は、男性の参加が多くあり、今後の彼らの成長が楽しみになった。どの部門も、甲乙付け難い技術レベルの高さに目を見張る。そのような折、内容の濃さや、ダンサーの理解度を感じ取り加味する事になる。審査する側の尺度に合わす必要はないが、個性を大切にして欲しい。
ジャンルの区別が付かなくなってきている事も否めないが、この時代止むを得ないのであろうか・・・?
○○らしさとか、○○的とか言う事が、ジャンルの特徴として扱われる事に一抹の寂しさを感じている。
その年齢でしか表現出来ない作品や振りを期待するという私の一貫した姿勢は変わらない。参加作品を評価するという大切なお役目に、大きな責任を感じている。

 胸の高鳴る、ワクワクするような作品、そしてダンサーとの出会いの時を心より楽しみにしている。

 創始者から、次代へと確実に繋がっている恒例行事が、更なる飛躍を遂げる事を大いに期待して止まない。

 すべてを終え、関わった方々が一堂に会した大切な時間(レセプション)に、何年かぶりに参加。非常に充実したひと時であった。次回は、大勢の方々と歓談したいと思った。


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Update:2017/02/16  

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