第34回あきた全国舞踊祭モダンダンスコンクール 所感
石原完二
(舞踊家)
京都府
肖像 今年で第34回目となるあきた全国舞踊祭、昨年とは大きく異なり、暖かい師走の開催に少し拍子抜けした感があったが、いざコンクールが始まると出場者達の気迫のこもった踊りや研ぎ澄まされたテクニックの質の高さにびっくりさせられる。

シニア部門1位の杉原萌「常闇の律」では空気が凍るような闇の中での立ち姿が、あくまでも透明でありその美しさが際立っていた。ジュニア部門の藤本舞「沈みゆく村」は、身体の柔軟性もさることながらこの大きな題材に、この年代ならではの純粋な感性を持って体当たりして、ピーンとはりつめた空間を見せた様に思った。

又ジュニア1部門の大塚果歩「夏の息」はとっても愛らしく、川のせせらぎに戯れたり、カエルと遊んだりと、昔みた懐かしい夏景色がよみがえり、そこには少しも媚びることのない子供らしさがにじみ出ていた。群舞部門、最優秀群舞賞の大前裕太郎・椎野純「ここに・傍らに」では、ほんの少しずつ違った男女の動きのずれや音の取り方のずらし方が、心地良く合っていき、言葉がなくても『ここにいるよ』というメッセージが伝わってくる。終わった後で、ほのぼのとした温かさが心に響いてくる。又、優秀群舞賞の小川麻里子・大橋美帆「象鯨図屏風」では、日本のモダンダンスならではの間の取り方や象と鯨という伊藤若冲の画のモチーフを面白く作風に活かし、彼女達ならではの踊りにしていて、まるで禅問答を繰り広げているようにも見えた。

総じて、それぞれのダンスは特徴がよく出ていて審査をしながらもとても楽しくなってしまうようなモダンダンスコンクール。このコンクールの益々の発展を願う。

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Update:2017/02/21  

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