あきた全国コンクール所見
石原 完二
舞踊家
(京都府)
肖像

36回を数えるあきた全国モダンダンスコンクール。
創立当初からの主催者、スタッフの多くの皆様方のご努力があってこそ、毎回多くの参加者がこのコンクールに挑んでこられる事と思うが、参加する方達もこの寒い時期に秋田までというのには、相当な強い意志を感じられる。又、審査員も、すべてクリーンなこのコンクールでは、自らの審査が、今の時代の、モダンダンスの今をしっかりと見る力などがそなわっているのかと、毎回問われている様な気がしている。

ジュニア2部では、成長の過程が著しい昨今、本当に背丈も大きく伸びやかに踊る参加者も多い、しかし子供の身軽さ柔軟さを持つこの年代は、テクニックの面で、素晴らしい技術を持っている人たちが多く見られる。シニア部となると、舞台に出てきた途端にその人となりのダンサーとしてのたたずまいを持ちながら、作品の雰囲気を充分に醸し出している人たちには、心惹かれるものがあった。コンクールに出場し続けているうちに培われてくるその人となりのオーラの様なものを探し、大切にして欲しいと思う。コンクールの良さは、自分が挑戦しようと思えば、これでもかこれでもかと自分を成長させる事が出来る事ではないか…
こんなことを思い浮かべた今年のコンクールであった。

上位入賞者の方々を見ていると、ジュニア1部では振付をされた先生の教えを一生懸命に踊る姿が見られ、ジュニア2部では少しは踊る事の恐さ等も感じつつもひたむきに向き合う姿、又、シニア部では踊る楽しさも苦しさも味わいつつも、努力の結果が華やかに身を結んだ様なさわやかさもあり、コンクール終了後には、皆とっても良い表情であった。増々このコンクールが参加者も多くなり盛んになっていく事を願う。


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Update:2018/02/03

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